サラリーマン社会でも、”交渉事” ってむずかしい! って思うばかりで、「A案じゃなく、B案で攻めてたら、この契約は取れたかも」 な~んて、あとになって悔んでみたりすることも多々 ・・・ オバマ大統領もいまごろ、そんな思いをしてるんじゃない? っていうトピックを、日経ヴェリタスが取り上げてました。
「17日の米中首脳会談後の共同記者発表で、大統領は『為替制度を市場メカニズムに基づいた方向に改革するという中国の意向を歓迎する』 と持ち上げたうえで、会談で元切り上げの必要性を訴えたことを明らかにした――」
ところが、結果はというと周知の通り、共同声明に為替問題を盛り込むことはできず、交渉は失敗(>_<) ・・・ 「中国が元相場を不当に低く抑えて自国の輸出産業を支援している」という米産業界の不満も、「中国の貿易黒字は、今年1~10月に前年同期比で3割も減り、すでに縮小傾向が鮮明で、“元安悪玉論” は『貿易黒字を人民元と結びつけても意味がない』 というのが中国側の主張――」
じゃあ、オバマ大統領はどんな攻め方をしていたら、"人民元" の通貨バスケット制からファンダメンタルズに基づく変動相場制へ移行する道筋を勝ち得たか? ・・・ 「『インフレを防ぐために元切り上げが必要だ』 と訴えていれば、中国の反応は違っていたかも ―― ところが、前政権時の 「元安による輸出支援」 という批判を蒸し返し、中国の不興を買ってしまった。 意固地になった中国が、元の切り上げ再開に従来にも増して慎重になる可能性もある」(日経ヴェリタス/一部抜粋)
・・・ "そんな切り出し方もあったか!" って、いまごろホワイトハウスでオバマ大統領は悔んでるかもしれませんネ! おかげで、いますぐの人民元の切り上げがオアズケになって、"人民元高につれて円高" というドラマの新展開も延期になっちゃいましたね┌(。>_<)┘
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
[22日午前のBlog] ―― 『キャリー取引伝説』 ――
『キャリー取引伝説』 ・・・ 「つまり、円を売る理由としての “円キャリー取引”、ドルを売る理由としての “ドルキャリー取引” という具合に、市場で実態以上の虚像がつくられているのではないだろうか」 というコメントが、日経ヴェリタスに掲載されていて、興味を持って読ませてもらいました。
要旨は、「米国の超低金利政策で、”ドルキャリー取引” が新興国などのバブルを招いているというが、そんなに単純なのか?」 というもので、「伝説のなかで、市場に行き過ぎやひずみが出ていないか?」 というもの。
一例として、「数年前に “円キャリー取引” が話題になったとき、アイスランドでは、個人が低金利の円建てで住宅ローンを借りて、その後返済不能に陥るなどの問題が表面化した」 ・・・ ただ、「騒がれた時と今の日銀の政策金利はほぼ同じか現在の方が低いくらい。 それでも今は円キャリー取引による円安は起こらず、むしろ円高が急激に進行している」 また、「昨年のリーマン・ショック後は、相対的な安全資産としてドルが買われたが、その時も米国はすでに超低金利だった」(日経ヴェリタス/一部抜粋)
マーケットは時として、都合のいいようにテーマ付けしたり、動向を解釈しがち。 ドル安の原因の1つに祭り上げられてる “ドルキャリー取引” が、本当に 「投機的な取引を助長し、高金利通貨(資源国通貨)買いにつながってるのか?」・「単純に米国の政策金利を上げればいい話なのか?」 ・・・ 実際にFX取引する私たちは、もしかしたら “行き過ぎ” に加担してるかもしれないし、”キャリー取引伝説” を創り上げてる一人ひとりかもしれませんネ。